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仲野 友英
no journal, ,
プラズマ中のタングステンイオン密度をスペクトル線の測定結果から導出するには、電離及び再結合速度係数などの原子データが必要である。しかし、高電離タングステンイオンについては、実験などによって精度が評価された原子データは少数の例外を除くと存在しない。本研究では、信頼性の高いデータを生産することを目標に、タングステンの電離及び再結合速度係数と断面積を計算し、これらの精度を実験的に評価した。実験的に測定したに対するの4s-4p遷移線の強度比から、コロナ平衡モデルを仮定して、の再結合速度係数(または断面積)に対するの電離速度係数の比を比較した。この方法では、上記のスペクトル線強度の比を用いることによって、スペクトル線の発光速度係数が持つそれぞれの電子温度(または電子エネルギー)への依存性を相殺させることができ、高い精度での評価が期待できる。JT-60Uの実験では、測定から得られた結果と、計算結果がよく一致した。一方で、電気通信大学のEBIT装置(電子ビーム・イオン捕捉装置)の実験では、それらの間に約3倍の差がみられた(現時点でその原因は不明)。同様の方法はとの3s-3p遷移線に対しても適用可能であり、ITERなど将来の超高温プラズマ中のタングステンイオン密度の測定方法の確立のために有効であると考えられる。